確定申告

メルカリで利益が出たら年末調整では不十分、確定申告が必要

サラリーマンはメルカリの利益は年末調整で手続きすればいいの?

メルカリの利益は年末調整ではなく確定申告が必要です。

しょうじ

とはいえ、いきなり確定申告が必要と言われても、何をすればいいか?準備するものは何かもわからないし、そもそもめんどくさいですよね?

そこで、この記事では、

この記事の内容

  • サラリーマンの確定申告はいくらから必要か?
  • サラリーマンの確定申告の大まかな流れ、準備するもの
  • 確定申告しない時の罰則や、バレる理由
  • 確定申告がめんどくさいときの対象法

といった内容を

しょうじ

税務の実務に通算18年従事した私がわかりやすく解説します。

サラリーマンでメルカリで利益が出てるけど、年末調整ですればいいやと思っていた人には必見の内容です。最後までご一読ください。

年末調整は給与の精算の手続き

そもそも、年末調整は給与の精算の手続きです。

会社で給与をもらう場合は、所得税は毎月の給与から天引きされています。これを源泉徴収といいます。

源泉徴収される所得税は、源泉徴収税額表という国税庁が発行する税額表に応じて徴収する仕組みになっています。(下図参照)

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/zeigakuhyo2021/02.htm

この源泉徴収の金額は、いわば見積もり徴収です。所得税を正しく計算するためには、所得控除などを差し引いて計算する必要があります。

所得控除というのは、扶養親族がいれば「扶養控除」、生命保険料を払っていれば「生命保険料控除」などです。

これを、年末にきちんと精算するのが年末調整です。基本的に会社員の所得は給与所得のみで、社会保険も会社で把握できるので、会社が個人に代わって所得税を計算しているだけなので、所得控除は年末調整で事足りますが、他の所得が発生していれば確定申告が必要になります。

じゃあいくらから確定申告が必要かというと、
サラリーマンの場合、所得で年間20万円を超えたら確定申告が必要になります。

サラリーマンが確定申告が必要なのは所得で年間20万円超

サラリーマンが確定申告が必要なのは所得で年間20万円超の場合です。これは確定申告の手引きにも明記されています。

この場合の所得って何か?というと、簡単に言えばメルカリでの儲けを指します。

つまり、売上から仕入れや経費を差し引いた残りのことです。

所得の計算

売上 - 仕入れ - 経費 = 所得

これが年間で20万円超の場合、確定申告が必要になります。

サラリーマンの確定申告ってどうやるの?

メルカリでサラリーマンが確定申告するには、1月~12月までのメルカリでの儲けを計算して翌年の2月16日から3月15日までに税務署に確定申告書を提出して、納付する税金があれば、3月15日までに、税務署か金融機関で支払うことになります。

確定申告をするのにどんな物を準備するか?というと、

  • 源泉徴収票
  • 売上などの集計表
  • 帳簿(事業所得で申告する場合)
  • マイナンバーカード等(電子申告する場合)

が必要になります。

源泉徴収票

年末調整をしていても、確定申告では、会社の給与の所得とメルカリで稼いだ所得とを合算して、所得税を計算するために、源泉徴収票が必要になります。

ちなみに電子申告で申告する場合は、源泉徴収票は金額の入力だけできれば、原本の添付は不要です。

売上などの集計表

確定申告をするには、儲けを正確に申告書に記入するために、売上・仕入れ・経費の年間の合計額を集計する必要があります。転記するために使うので、集計さえできていればエクセルなどで大丈夫です。

帳簿

副業で確定申告するには、事業所得か雑所得で申告することになります。

事業所得は一定規模にある場合に適用できて、そうでなければ原則「雑所得」になります。

No.1906 給与所得者がネットオークション等により副収入を得た場合

帳簿が必要なのは、「事業所得」で申告する場合です。「雑所得」で申告する場合は帳簿は不要です。ちなみに帳簿というのは、売上や仕入れや経費などを科目ごとに家計簿のようにまとめたものです。

事業所得にすると何がいいの?

大きくは2つで、損益通算できることと青色申告が適用できることです。

しょうじ

損益通算

損益通算というのは、赤字の所得と他の所得を合算して所得を計算することをいいます。例えば、事業が赤字で他に給与所得がある場合、事業の赤字の分と給与を合算することで給与所得を減額し、所得税を減らすことができます。

損益通算が可能な所得は、事業所得、不動産所得、譲渡所得、山林所得になります。

青色申告

青色申告は事業所得、不動産所得に認められる制度で、所得から最大65万円控除できる青色申告特別控除や赤字を3年間繰り越すことができる純損失の繰り越しなどのメリットがあります。

マイナンバーカード等

電子申告というのは、自宅のPCから国税庁のWEBサイト上の確定申告のシステムを利用して確定申告書を作成、送信することをいいます。

WEB上で完結できるので便利ですが、本人確認として事前準備が必要です。

  • マイナンバーカードを事前に用意するか
  • 所轄税務署に行って税務職員による本人確認でID・パスワードを取得するか

いずれかの準備が必要です。

確定申告しないとどうなるの?

確定申告義務がある人が確定申告しないと法的な罰則があります。また、バレないと思っている人も多いですが、じつは簡単にバレます。

法的な罰則

確定申告しない場合、法的な罰則として無申告加算税と延滞税が課されます。

無申告加算税
無申告加算税は、申告をしなかったことに対してかかる税金です。本来納めるべき税金(本税)に率を乗じて計算します。

税務調査で指摘された場合、
本税に対して50万円までの部分に15%50万円を超える部分に対して20%かかります。
税務調査の事前通知後であれば、
本税に対して50万円までの部分に10%50万円を超える部分に対して15%かかります。
延滞税
延滞税は税金の未払いに対する利息のようなものです。
その利率は、期間を二つに分けて考えます。

法定納期限の翌日から
①「完納の日または2月を経過する日」‥年7.3%か延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方
②「2月を経過する日の翌日から完納の日」‥年14.6%か延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い方

確定申告しないと簡単にバレる理由

じつは、あまり知られていませんが、税務署はインターネット取引で申告漏れが多いことを危惧しています。そのため、無申告者の情報収集に余念がないです。

メルカリの場合、どうやって無申告者の情報を収集するかというと、メルカリ側の税務調査で収拾します。

プラットフォームであるメルカリ側の税務調査でメルカリの経理や会計処理も調査する傍ら、出品者データを収集しています。そのため、調べようと思えば、その出品者データと、確定申告者の提出データを照合すれば瞬時に無申告は判明します。

メルカリで確定申告しなかったら税務署になぜバレるのか?脱税のリスクについて

確定申告が面倒なときは?

「面倒だから確定申告しない」のではなく、面倒なら税理士に依頼する方向で考えましょう。税理士に依頼すると、税理士費用がかかるから、と思うかもしれませんが、それ以上にメリットがあります。

税理士に依頼するメリット

  • 正しい申告書がつくれる
  • 税理士の署名押印があるので税務署へのアピールになる
  • 確定申告の時間を事業に投下できる
  • 税務調査に立ち会ってもらえる
  • 税務署からの問い合わせ窓口になってもらえる

正しい申告書がつくれる

前職でかなりの申告書を見てきましたが、税務知識のない人がつくった申告書と税理士がつくった申告書は全く違います。例えば「事業主勘定」などは最たる例です。経費にならない個人事業主の私的な支出は事業主勘定を使うのですが、知識がないと計上されてないことも多々あります。こちらの記事にもあるとおり、初歩的ミスが税務調査を誘発することもあります。

メルカリで税務署が来た事例、税務調査の理由と対策

税理士の署名押印が税務署へのアピールになる

これは、税務調査の立ち会いで、ある調査官から聞いた話ですが、税理士の署名押印がない申告書は、かなりの確率で初歩的なミスがあり、追徴税額も多くなる傾向にあると認識しているそうです。

つまり、税理士の署名押印がない申告書は、税務調査の前段階でターゲットになる確率はかなり高まります。

確定申告の時間を事業に投下できる

あなたが、確定申告や帳簿の作成ができても事業では1円も儲かりません。

であれば、餅は餅屋で外注した方が得策です。税理士費用を払ったとしても、その時間を事業の作業時間に投下すればその分稼げて、税理士費用以上の収入を得ることも可能です。

トータルで見ると、外注する方が安く済むことは十分あります。その上、確定申告書で間違う確率は格段に減ります。

税務調査に立ち会ってもらえる

確定申告を税理士に依頼すると、税務調査になった場合にスムーズに立ち会いの相談ができます。税務調査だけを税理士に依頼することも可能ですが、じつは税務調査だけを依頼されても取引内容も会計処理の経緯も知らないのでフォローのしようがありません。

また、税理士は申告書を作る際には税務調査を想定してつくるので、申告書の作成から依頼する方が格段に効果はあります

税務署からの問い合わせ窓口になってもらえる

税理士に確定申告を依頼すると、税務署に申告書提出の際に「税務代理権限証書」を添付して提出します。

これがあると、税務署は税務調査の前に税理士に確認をします。また、書類の添付漏れなど、ちょっとした訂正は税理士で対応してくれます。

逆にこれがないと、

  • 勤務中に税務署から問い合わせの連絡が来る
  • 税務署からの税務調査の打診に対応せざるを得なくなる

といったことになります。

とくに税務調査は最初に日程調整の連絡がありますが、税務署の要望に100%応じる必要はなく、こちらの都合で変更は可能です。一般的にはこういうことは知らないので、税務署の言いなりで進めてしまうことが多いです。

税理士は、税務調査まで準備期間が欲しいので通常申し出より少し間を開けて調整します。

しょうじ

税理士はプロなので、税務調査の日程調整などもぬかりなく設定します。

せどりの税理士の選び方については、こちらの記事でくわしく解説しています。
せどりの税理士の選び方、おすすめの税理士や費用の相場を解説

まとめ

サラリーマンがメルカリで利益が出た場合の手続きは、年末調整ではなく確定申告になります。

年間の所得で20万円超で確定申告の義務が生じます。

確定申告する際には、電子申告が便利ですが、

  • マイナンバーカード
  • 税務署での本人確認によるID・パスワード発行

といった前準備が必要なので、あらかじめ準備しておくことをおすすめします。

また、確定申告しない場合には、無申告加算税や延滞税といった罰則があります。

面倒であれば、税理士に依頼するなど早めに対処しましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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