
メルカリでの不用品売買、せどりや転売の場合、確定申告は必要です。
確定申告は義務なので、やらないと罰則があります。
多くの人は簡単にはバレないと思っていますが、じつはすでにバレています。
なぜなら、国税はプラットフォームであるメルカリにも税務調査に行くので、出品者データは容易に入手できます。つまり、照合すれば無申告はすぐにわかるからです。
なので、確定申告は必ずすべきですが、安易に考えていい加減な申告をすると、下記のTweetのように税務調査時にけっこうな金額の追徴課税を受けることもあります。
税 務 署 様
— RINO😆パソコンも治せるECセラー (@rinopaso) August 12, 2021
入りました😂
結論は、自分で全て青色申告してましたが、経費にならないものを
経費にしてたり記入漏れが発覚して
結構な額の税金を収める事に😅
二度とこんなミスしたくないので
現在税理士さん選び中😆
悩んでる暇も無さそうなんで
前進あるのみ!(たぶん)
じゃあ、どうすればいいのか?
というと、
ポイント
❶確定申告書を正しく作成する
又は
❷自信がなければ税理士に依頼する。
とくにメルカリである程度成果を上げているなら、慣れない確定申告に時間を割くより、税理士に外注してリスク回避し、時間を作ってリサーチなどの業務に充てる方が賢明です。
とはいえ、確定申告のやり方や税理士をどこで探してどう選ぶか?なんてわかりませんよね。
そこで、この記事では、
この記事の内容
- 確定申告しない時の罰則
- 税務署のバレるまでの経緯
- 税務署がインターネット取引に着目する理由
- メルカリで税務調査が来た事例
- 確定申告のやり方
- 確定申告を税理士に依頼する時の注意点
について解説しました。

私の前職の税理士事務所での実務経験をもとに、業界経験者視点でわかりやすく解説しています。
メルカリの確定申告をどうしようかな?バレずにやり過ごせるかな?と悩んでいる方には必見の内容です。ぜひ最後までご一読ください。
確定申告しない時の罰則

確定申告しない場合、法的な罰則として無申告加算税と延滞税が課されます。
法的罰則
- 無申告加算税が課せられる
- 延滞税が課せられる
無申告加算税
無申告加算税は、申告をしなかったことに対してかかる税金です。
本来納めるべき税金(本税)に率を乗じて計算します。
税務調査で指摘された場合、
本税に対して50万円までの部分に15%、50万円を超える部分に対して20%かかります。
税務調査の事前通知後であれば、
本税に対して50万円までの部分に10%、50万円を超える部分に対して15%かかります。税務調査の事前通知税務調査の事前通知というのは、調査官が税務調査に行く場合、法律上、「税務調査に行きますよ」ということを通知しなければいけません。この通知のことをいいます。
自主申告であれば、無申告加算税は、かなり軽減されます。

延滞税
延滞税は税金の未払いに対する利息のようなものです。
その利率は、期間を二つに分けて考えます。
法定納期限の翌日から
①「完納の日または2月を経過する日」‥年7.3%か延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方
②「2月を経過する日の翌日から完納の日」‥年14.6%か延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い方

確定申告をしないと税務署にバレる経緯

税務署はじつは、いろんな手法で無申告者の情報収集をしています。メルカリでの収入ももちろん含まれますが、具体的にはどんな経緯でバレるのか?
というと、
プラットフォームであるメルカリの税務調査でバレます
メルカリの税務調査でもうバレている
メルカリは国内の法人ですので税務調査があります。その税務調査では、メルカリ自体の会社の経理について調査されますが、同時にメルカリに登録している人たちのデータの提供も求めます。
メルカリで出品して稼いでいる人たちのデータはこうしてすでに収集されています。
税務署には確定申告をした人のデータは手元にあるので、このメルカリから提供されたデータと確定申告提出者のデータを照合すれば、だれが無申告か?はすぐに判明します。

ちなみに、このことは、元国税調査官でYoutuberの根元さんの動画でも語っています。(開始から2分後くらいから、その話に触れています)
また、メルカリで成果を上げている人がSNSやブログで情報発信の一つとして「今月○○万円売上達成」といった成果報告をしていますが、こういった発信もつぶさに調査しています。

ある税務調査で調査官に聞いた話、調査官はSNSなどもこまめにチェックしているらしいです。
少額ならバレないの嘘
無申告などの税務署の調査は、「所得や税額が大きいところしか来ない」と思われていますがそうとは限りません。
国税調査官にもノルマがあるし、税務署も限られた人数の中で成果を上げるためには、所得・税額が大きいところを優先する傾向にはあります。ただ、少ないところを無視していれば、金額が小さければ税務調査は来ないという情報が流布されます。
その結果、所得や税額がそれほど大きくない納税者の脱税が横行すれば、
- 課税の公平が保たれない
- 税務署のメンツが丸つぶれ
という税務署にとって最悪の事態になります。
そこで、一定程度は、売上・所得が大きくない無申告者にも税務調査を実施し、「それほど大きくない売上・所得でも税務調査が来ている」といった認識が周知させ効果的に脱税を阻止するというねらいがあります。
税務署がインターネット取引に注力する理由

じつは、国税庁はインターネット取引に注力しています。とくにメルカリは、近年で利用者数が爆発的に増え、人気であることは国税庁も十分認識しています。
なぜ、インターネット取引に注力しているかというと、
- インターネット取引は無申告の温床と見ている
- 副業ブームでインターネット取引が盛んになった
- コロナ禍で実業が芳しくない
インターネット取引は無申告の温床
国税庁では、個人の所得税・消費税の調査状況を公表しています。
令和2事務年度 所得税及び消費税調査等の状況
個人の所得税でインターネット取引には申告漏れが多く令和2事務年度で201億円の所得の申告漏れがありました。下記のように、積極的に調査を実施しています。とPRしていることからもわかるように、無申告に対して警鐘を鳴らしています。



上記の調査状況にあるシェアリングエコノミーとは、ネット通販、ネット広告、デジタルコンテンツを称したインターネット取引のことです。
副業ブームでインターネット取引が盛んになった
前述のようにインターネット取引は無申告の温床と睨んでいる国税庁にとって、副業ブームはかなり懸念されています。手軽に副業で収入を上げるには、みんな思いつくのがインターネット取引だからです。
しかもメルカリなどはスマホさえあればすぐに始められます。
それに加えて「少々稼いでも税務署にはバレない」といった認識が広まるのをかなり警戒しています。
コロナ禍で実業が芳しくない
税務署が税務調査に力を入れる理由として、コロナ禍での実体経済の状況も影響しています。一昨年からの自粛の影響で、飲食業や旅行業などは、大打撃を受けました。飲食店や旅館ホテルといった実店舗だけでなく、そこと取引をするいたる業種で軒並み損失を被っています。
じつは、調査官もノルマがあるので、追徴課税などがないところに税務調査に行くほど暇ではありません。そうなると利益が大きなところを優先します。
税務署もコロナ禍においては実店舗より、巣ごもり需要でインターネット業界が盛況だったことは十分認識しています。
メルカリで税務調査が来た事例

メルカリの確定申告を自分でやっていて、まちがいがきっかけで税務調査が来た事例もあります。
税務調査の経緯
これは、私が前職、税理士事務所勤務時代の話です。税務調査の立ち会いから関与したクライアントがいました。
個人でメルカリで古着のアパレルをやっているシングルマザーの人でした。ある程度売り上げも伸びてきていて、青色申告を自分でやっていたけど、税務調査が来ることになり、立ち会ってくれる税理士を探していたところ、飲食店経営の知人に相談したのがきっかけです。この飲食店経営者が私の勤務先のクライアントでした。
くわしくはこちらの記事で書いています。
メルカリで税務署が来た事例、税務調査の理由と対策
結局、税務調査に来た要因は、
- 利益がある程度出ていたこと
- 申告書に税理士の署名押印がなかったこと
- 現預金残高がマイナスだったこと
- 売掛金が0だったこと
- 事業主勘定の金額が明らかに小さかったこと
でした。
確定申告書に税理士印がなくて、明らかな間違いのある決算書だったので、調査対象になったようです。

税理士印がないって関係あるの?
ある税務調査で調査官に聞いてみたのですが、その人の感覚では、税理士がつくっていない申告書には初歩的ミスが多いと認識しているようです。

確定申告書のチェックポイント
もし、自分で確定申告する場合には書類の記入で気をつけたいのは、添付の決算書部分です。前述の税務調査の事例を元にポイントをお教えします。
損益計算書
損益計算書での注意点は原価率です。原価率は原価を売上で割って求めます。
この原価率、税務署では業種ごとに何%かというデータを持っています、そのデータと大きくかけ離れると、売上除外や棚卸漏れを疑います。
メルカリで販売している実際の原価率は把握できるので、その数字とかけ離れていないか要チェックです。

貸借対照表
貸借対照表では、現預金、売掛金、事業主勘定の3つの部分がポイントです。

- 現預金
- 実際の現預金残と照合しましょう。間違ってマイナスになっていないかチェックが必要です。
- 売掛金
- 売掛金は売上が上がって未入金のものです。商品が売れて、振替処理をしても入金されるまではタイムラグが生じているはずです。そのため売掛金が0になることは少ないです。すでに売れて未入金の売上分は必ず売掛金に計上しましょう。
- 事業主勘定
- 事業主勘定とは、事業の現預金から支出される経費にはならない所得税や住民税、生活費として引き出した金額などです。一般的には生活費として月に20万円程度はかかると考えると、事業主勘定は200万円を下回るのは考えにくいです。事業主勘定の金額があまりに小さいと、経費にならないものを経費計上していることが疑われます。
税理士に依頼する

前述の確定申告書のポイントは、簿記の知識がないとどうしても内容がピンとこないことがあるかもしれません。
自分でやるのが面倒、自信がないという場合は、税理士に依頼しましょう。
ポイント
税理士の署名押印がある確定申告書は、税務署に対して「間違いが少ない」ことへのアピール効果が期待できます。
税理士に依頼するメリット・デメリット
確定申告を税理士に依頼するとその他にもこれだけメリットがあります。
メリット
- 税務調査を想定して申告書の作成ができる
- 税務調査になったとき立ち会いが頼める
- 税務署からの問い合わせに対応してもらえる
確定申告を税理士に依頼するにはもちろんデメリットもあります。
デメリット
- 税理士費用の負担が生じる
- いい税理士を探すのが大変
税理士に依頼するデメリットは、税理士の選び方・探し方、税理士費用の相場を知れば解決します。
税理士の選び方
せどりの税理士の選び方で大事なのは次の3つです。
- 税務調査に強い
税理士はみんな税務調査に強いわけではなく、税務の実務経験が乏しいとあまり頼りになりません。
前述したようにメルカリを含むせどりやインターネット取引は、税務署も注目しています。そのため税務調査に強い税理士であることは必須です。
- ITリテラシーがある
電子帳簿保存法の改正で、これからは、帳簿の保存も電子化されます。Amazonや楽天などネット仕入れも多いだけに領収書の保存法など適切にアドバイスをもらえないと税務調査で非常に困ります。こういったところにアンテナを張るITリテラシーはこれからの税理士には必須です。
- 誠実な人柄であなたとの相性が良いこと
そもそも、どんなにスキルがあって経験豊富でも誠実な人柄でなければ、いい関係は築けません。また、対人関係は堅すぎる人はイヤ、ギラギラ感が苦手など主観的な要素もあるので、相性も大事です。
税理士費用の相場
メルカリなどのせどりや転売の場合の税理士費用は、事業規模でやる場合には事業所得で申告するので、白色申告と青色申告のいずれかによって変わってきます。白色申告よりも青色申告の方が手間を要するので高くなります。相場的には以下のようになります。
白色申告
白色申告の税理士費用
白色申告の税理士費用の相場は、概ね5万円~10万円になります。
青色申告
青色申告の場合、税理士費用は事業の売上高によって区分されることが多いです。
また、帳簿の作成が複式簿記という難易度の高いものになります。複式簿記での帳簿作成は、その分手数を要するので、それを税理士に依頼するときは記帳代行料が付加され、やや高くなります。
年間売上高 | 帳簿作成は自分で行う場合 | 帳簿作成も依頼する場合 |
500万円未満 | 5万円~ | 10万円~ |
500万円以上1,000万円未満 | 7万円~ | 12万円~ |
1,000万円以上3,000万円未満 | 10万円~ | 15万円~ |
3,000万円以上5,000万円未満 | 15万円~ | 20万円~ |
税理士の探し方

税理士を選ぶ条件や相場の比較を含めると税理士を選ぶこと自体が面倒ですよね。そんな時は、税理士紹介サイトを利用するのがおすすめです。
税理士紹介サイトとは
税理士紹介サイトは利用者と税理士をマッチングするサービスです。

税理士紹介サイトなら、「探す」・「選ぶ」の面倒な手間が省けて無料で利用できます。利用するメリットを挙げると以下のとおりです。
メリット
- 希望する税理士を選定してもらえるので探す手間暇がない
- ヒアリングで予算を聞かれ、それに合わせて選定するので価格交渉が不要
- 相性が合わない場合は代わりに断ってくれる
- 面談の日程調整も代行してくれる
- 税理士は登録制なので、業務に意欲的な税理士が期待できる
利用する流れは簡単で、以下の流れで進みます。
WEBサイトに登録

WEB上で簡単な入力フォームから、営む業種・規模などを入力します。
担当者からのヒアリング

税理士紹介サイトの担当者から電話またはメールにて連絡があります。希望の税理士や税理士費用の予算などを簡単に回答します。
希望の税理士の選定

税理士紹介サイトで登録の税理士の中から希望の税理士に合致する税理士の候補を2~3人選定し紹介してくれます。
どんな税理士か大まかな人柄や経歴を伝えてくれ、面談日程の調整までしてくれます。
税理士との面談

税理士と面談します。多くの場合ZOOMなどのWEB面談に対応しています。
成約又は断って次の税理士を探す

問題なければ成約となります。(税理士とは直接契約になります)相性が合わないなど、断る場合は税理士紹介サイトの担当者が代わりに断ってくれます。
また、見つかるまで無料で税理士を紹介してくれます。
税理士紹介サイトにももちろんデメリットがあります。主に次の2つがデメリットです。
デメリット
- サービスが悪い業者を見分けるのが難しい
- 担当者のスキル不足で紹介がスムーズじゃないこともある
デメリットを避けるためには、
- 運営母体がしっかりしていて、運営経歴が長いところ
- 担当者のサポートが手厚いところ
- 登録税理士が多い、または税理士を審査しているところ
の3つの基準を元に選ぶと失敗がないです。
おすすめの税理士紹介サイト
税理士紹介サイト選びで失敗しないために、3つの基準を元に選んだおすすめの3社は以下です。
注意
ただし、確定申告時期の2月になると応募殺到で受付を中断することもあるので、早めの申し込みをおすすめします。
税理士ドットコム


ポイント
- 登録税理士は業界ナンバーワンの全国6,000名以上
- 累計実績も業界ナンバーワンの21万件以上
- 東証グロース上場企業が運営
税理士紹介エージェント


税理士紹介センター(ビスカス)


まとめ
税務署がインターネット取引に注目し、税務調査に力を入れている昨今では、メルカリでの収益はゴマかせません。
確定申告は必ずやっておきましょう。
ただ、いい加減な申告書では、
- 税務調査を引き寄せてしまう
- 税務調査で追徴課税が発生することにもつながる
など、リスクが大きいです。
正しい申告書作成に努めるか、自身がない、業務が忙しい場合には、税理士に外注することも検討しましょう。
税理士を探す際には、税理士紹介サイトを利用すると便利です。