
- メルカリでせどりをやっているけど税金はどうなるの?
- 金額が大きくなければ確定申告しなくてもいいんじゃないの?
- 確定申告しないとどうなるの?
メルカリで収入があると、頭にチラついてくるのが税金や確定申告のことですよね?
メルカリで生活用の動産を売却する場合、税金はかからず、確定申告も不要です。
ただ、営利目的で繰り返し転売などする場合に確定申告が必要になり、利益が出れば金額に応じて所得税がかかります。
知らないことを理由に確定申告しないのは、脱税となり罰則もあります。
とはいえ、確定申告ってごちゃごちゃしててわかりにくい印象ですよね。
そこで、この記事では
この記事の内容
メルカリの確定申告に絞って
- どんな場合が確定申告が必要なのか?
- 確定申告しないとどうなるのか?
- 確定申告のやり方
- メルカリの税金対策
といったことを
自身も副業でメルカリせどりを経験し、前職では税理士事務所で通算18年税務の実務に従事した私が解説します。

メルカリせどりと税務のどちらの知識も併せ持つ私がわかりやすく解説します。
メルカリの確定申告がわからず困っている人には必見の内容です。ぜひ最後までご一読ください。
確定申告とは

確定申告は、1月から12月までの所得を翌年の2月16日から3月15日までに税務署に申告し、納めるべき税金があれば、納付する手続きのことです。
例えば、令和5年に行う確定申告は、令和4年1月1日から12月31日までの儲けを、令和5年2月16日から3月15日までに手続きします。

メルカリで確定申告が不要な場合

メルカリで一般的な家庭の不用品を売った場合は、確定申告は不要です。
所得税では、家具、じゅう器、通勤用の自動車、衣服などの生活に通常必要な動産の譲渡は非課税となっているからです。


つまり、家で使わなくなった不用品を売る場合には、確定申告は必要ないです。
メルカリで確定申告が必要な場合

メルカリで物を売却して確定申告が必要なのは、
- 貴金属や宝石、書画、骨董などで1個または1組の価額が30万円を超えるもの
- 営利目的で繰り返し転売する場合
という2つの場合です。
貴金属や宝石、書画、骨董などで1個または1組の価額が30万円を超えるもの
貴金属や宝石、書画、骨董などで1個または1組の価額が30万円を超えるものを売却した場合、次の計算でプラスになれば、譲渡所得として確定申告が必要です。
売却価格 - (購入金額 + 売却にかかった費用)- 50万円 (注)= 譲渡所得
(注)特別控除額
例えば、20万円で購入したものを100万円で売却した場合、100万円-20万円ー50万円=30万円で30万円が譲渡所得となります。
売却したものが5年を超えて所有したものであれば、譲渡所得は2分の1になります。
(売却価格 - (購入金額 + 売却にかかった費用)- 50万円 )÷2 = 譲渡所得
営利目的で繰り返し転売する場合
メルカリを営利目的で利用する場合、多くの人がこちらに当てはまると思います。家具や衣服などの生活用の動産であっても、「相当の期間に永続的に譲渡している場合」は、事業所得か雑所得として確定申告が必要です。

ただ、所得で一定金額未満であれば、確定申告は不要です。
所得というのは、よく勘違いされますが売上ではありません。簡単にいうと利益の金額と考えた方がわかりやすいです。売上から仕入や経費を引いた金額である利益。これがほぼ所得といっていいです。
所得の計算
売上の金額 ー (仕入れの金額 + 経費の金額) = 所得
所得の金額が
- 専業でやっている人は年間48万円未満
- 副業でやっている人は年間20万円未満
であれば確定申告は不要です。それ以上であれば確定申告が必要になります。
確定申告しなかったらどうなる?

確定申告しない場合、法的な罰則として無申告加算税と延滞税が課されます。
法的罰則
■無申告加算税が課せられる
■延滞税が課せられる
無申告加算税
無申告加算税は、申告をしなかったことに対してかかる税金です。
本来納めるべき税金(本税)に率を乗じて計算します。
税務調査で指摘された場合、
本税に対して50万円までの部分に15%、50万円を超える部分に対して20%かかります。
税務調査の事前通知後であれば、
本税に対して50万円までの部分に10%、50万円を超える部分に対して15%かかります。
- 税務調査の事前通知
- 税務調査の事前通知というのは、調査官が税務調査に行く場合、法律上、「税務調査に行きますよ」ということを通知しなければいけません。この通知のことをいいます。
自主申告であれば、無申告加算税は、かなり軽減されます。

延滞税
延滞税は税金の未払いに対する利息のようなものです。
その利率は、期間を二つに分けて考えます。
法定納期限の翌日から
①「完納の日または2月を経過する日」‥年7.3%か延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方
②「2月を経過する日の翌日から完納の日」‥年14.6%か延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い方

無申告はどうやってバレるのか?
無申告がどうやってバレるのか?というと、じつは税務署は無申告の人のデータはつかんでいます。
メルカリも国内の企業なので、当然税務調査の対象になります。メルカリに対する税務調査では、もちろんメルカリの経理について調べますが、同時に出品者などのデータも税務署は調べます。
このデータを持ち帰っているので、出品者データと税務署側が持つ過去の確定申告のデータを照合すれば、出品者のうち無申告の人は一目瞭然です。
つまり、税務署が無申告を調べようと思えば、瞬時に判明するわけです。

確定申告のやり方

メルカリの事業を実際に確定申告する場合はどうなるのか?
確定申告は確定申告書を税務署に提出して納税する手続きです。申告書はもちろん紙媒体で手書きで記入して提出することも可能ですが、昨今は電子申告が主流です。
電子申告する場合を想定すると、大まかな流れは以下のようになります。
- 帳簿の作成
- 決算
- 申告書の作成
- 税金の納付

帳簿の作成
メルカリの確定申告を事業所得でする場合、帳簿の作成が必要になります。帳簿というのは、事業用の家計簿的なものです。
売上や仕入れ、各種の経費を科目ごとに、日付・金額・相手先・内容を記入していきます。手書きでも構いませんが、会計ソフトを使用するのが一般的です。
1月から12月までの1年分を取引の都度記帳していきます。一度にまとめてでもできないことはありませんが、確定申告は2月16日から3月15日までが期限ですので、2月中旬までにまとめる必要があります。
決算
帳簿の作成ができたら決算をします。決算とは、より正しく利益を算出する会計上の手続きです。
決算処理といえば、一般的には
- 棚卸資産の計上
- 減価償却費の計上
などがあります。具体的にはどんな意味合いなのか以下にまとめました。
棚卸資産の計上
棚卸資産の計上というのは、商品仕入れでの正しい利益計算の手続きです。
メルカリで物販をする際、商品を仕入れますよね。
年末あたりを想像してもらうとイメージがつきやすいのですが、年末近くに仕入れた商品で、販売したのは翌年ということもあります。この場合、仕入れという「経費」は年内で、売上という「収益」は翌年計上することになってしまいます。
これでは収益と費用が対応してなくて、正しい利益計算ができません。そこで、費用が収益と対応するように、年末時点で売れ残ったものを収益が計上される翌年の経費とするため、費用にせず一旦資産としておくために決算で処理します。
減価償却費の計上
減価償却費の計上は、事業に使う資産の費用計上の話です。
例えば事業に使うために車を買ったとします。車は、1回使って終わりではなく、壊れない限り数年使いますよね。この車を使うことで事業では収益を上げています。つまりこの車は耐用年数に渡って使われることで収益に貢献します。であれば、購入金額を一時の経費ではなく、耐用年数に渡って費用として計上すべきです。
そのため、例えば100万円で購入した車が4年間使用するのであれば、4年で割って、25万円ずつ4年間で費用にしていくのが減価償却費の計上です。
申告書の作成
確定申告書の作成は国税庁のe-taxを使うと便利です。e-taxは国税庁が提供する申告書作成のシステムです。
WEBサイト上で申告書の作成・電子申告によるデータ送信ができるので、自宅にいながら手続きがすべて完了します。

税金納付
確定申告書を作成して納付する税額がある場合には、次のいずれかの方法で納付します。
- 電子納税で納付
- 納付書にて納付
- 振替納税で納付
電子納税で納付
電子納税で納付する方法は以下のとおり4種類あります。
- ダイレクト納付
- インターネットバンキング
- クレジットカード納付
- コンビニ納付(QRコード)
納付書で納付
紙の納付書で納付する方法です。納付書は税務署にあるので、税務署まで赴いてもらってくる必要があります。納付書に金額をペンで記入し、金融機関で納付します。納付期限は申告書の提出期限と同じ3月15日です。
振替納税で納付
振替納税は、銀行口座から指定日に口座振替で納付する方法です。事前に申込書を提出する必要があります。メリットとしては、金融機関まで行かなくてよいこともありますが、振替日が4月20日頃と納付までの猶予期間があることです。

振替納税は、遅く支払われるからといって延滞税がかかるわけではありません。
確定申告を税理士に依頼するメリット

じつは、メルカリをはじめとするせどりなど個人のインターネット取引は国税庁は注目しています。
というのも、下記は国税庁が発表している個人の所得税の税務調査状況ですが、令和元事務年度で、申告漏れによる追徴税額が65億円に上り、「インターネット取引を行っている個人に対しては、資料情報の収集・分析に努め、積極的に調査を実施」すると警鐘を鳴らしています。

下のTweetにもあるとおり、税務調査が入れば、適当な経費計上などが多いと、追徴税額はけっこうな金額になることもしばしばあります。
税 務 署 様
— RINO😆パソコンも治せるECセラー (@rinopaso) August 12, 2021
入りました😂
結論は、自分で全て青色申告してましたが、経費にならないものを
経費にしてたり記入漏れが発覚して
結構な額の税金を収める事に😅
二度とこんなミスしたくないので
現在税理士さん選び中😆
悩んでる暇も無さそうなんで
前進あるのみ!(たぶん)

税務調査で調査官から聞いた話ですが、税理士以外がつくった申告書(申告書に税理士の署名押印がない)の場合、結構な割合で間違いがあると認識していると言ってました。
苦労して申告書を作成した挙句に追徴税額となっては元も子もないです。そうならない様に、最初から税理士に依頼しておくのも一考です。
確定申告を税理士に依頼すると以下のメリットがあります。
- 間違いのない申告書が作成できる
- 税務調査を想定した申告書の作成が期待できる
- 税務署からの問い合わせに対応してもらえる
- 税務署に対して適正な申告書と認識してもらえる
いざ、税理士に頼むとなると、どんな税理士に依頼すればよいか?また、税理士費用の相場も気になるところですよね。
税理士の選び方や税理士費用についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
せどりの税理士の選び方、おすすめの税理士や費用の相場を解説
メルカリの税金対策

メルカリで儲けが出ていたら、税金対策を!と考えますよね?
節税でよく勘違いするのは、税金を払わない様に経費を増やすことを考え、不要な支出をすることです。例えば、消耗品など事業に使う物品の購入を増やすなど。
経費となる支出を増やせば税金は減りますが、その分キャッシュも減るので有効な対策ではないです。
節税するなら、支出を増やさずに、納税額を減らさなければ意味ないです。
そこで、一般的に効果があってすぐに取り組めるものとしては、
- 青色申告を適用する
- 家賃などすでに支出しているものの経費計上
- 棚卸しなどの評価方法を検討する
などがあります。
それから、中長期的に節税を考えるなら、法人化することが最大の節税策になります。
確定申告前に準備すべきもの

メルカリの確定申告は、「事業所得」での申告が多くなります。事業所得の申告で電子申告する場合、事前に準備しておくべきものを挙げると以下のようになります。
- 開業届
- 会計ソフト
- マイナンバーカード
開業届
事業を開業した場合、開業届の提出義務があります。
開業届を提出していないからといって確定申告書を受け付けてもらえないわけではありませんが、提出しておきましょう。
開業届は国税庁のホームページからダウンロードして記入するか、WEB上で入力して印刷するかいずれかの方法で簡単にできます。
ちなみに、提出期限は「開業後1ヶ月以内」となっていますが期限を過ぎても罰則はありませんので、気づいた時点で提出しましょう。

会計ソフト
事業所得で申告する場合、白色申告でも青色申告でも帳簿の作成が必要です。帳簿は会計ソフトを使用すると便利です。会計ソフトには、PCにインストールして使うインストール型とWEBサイト上でログインして使うクラウド型とがあります。
バージョンアップが不要で、税理士に依頼する場合も煩雑のデータのやり取りをしなくて済むクラウド型がおすすめです。
クラウド型の会計ソフト選ぶ際は、
- 認知度が高い
- 簿記知識不要で使える
- 銀行口座・クレジットカードの連携機能がある
- 電子申告に対応している
ことをポイントに選びましょう。

マイナンバーカード
e-taxで確定申告書を提出する方法は、
- マイナンバーカード方式(2次元バーコード)
- マイナンバーカード方式(ICカードリーダライタ)
- ID・パスワード方式
と3種類あります。マイナンバーカード方式で提出する場合は、前もってマイナンバーカードを用意しておく必要があります。発行には数日かかるので余裕をもって準備しましょう。

まとめ
確定申告は、毎年2月16日から3月15日までに受け付けられ、申告期限は3月15日です。
例年、申告期限間際では、電子申告する場合、データ送信が殺到し、サーバーダウンに見舞われることもあります。また、税務署へ電話での質問などもつながりにくくなります。
申告期限ギリギリであわてることがないよう早めに着手しましょう。