ビジネスを成功させるためには、財務などのマネジメントは重要で、税理士との顧問契約はその一助になります。税理士と顧問契約をすると、税務や会計について専門家に代行してもらったり、相談できるだけでなく、経営の改善など、ビジネスにとって大きなメリットがあります。
でも、税理士との顧問契約には、デメリットやトラブルもあります。できるなら、自分のビジネスニーズや要望に合った税理士を見つけて、信頼できるパートナーとして活用できるようにしたいですよね。
そこで、この記事では、税理士と顧問契約をする際に知っておくべきことを解説します。
この記事では、以下の内容を
この記事の内容
- 税理士と顧問契約をするメリットとデメリット
- 税理士と顧問契約をする際に確認すべきこと
- 税理士と顧問契約をする際に気をつけるべき契約内容や条項
- 税理士と顧問契約した後に発生する可能性のあるトラブルや解決法

税務の実務に通算18年従事した私が解説しました。
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税理士と顧問契約するメリットとデメリット
税理士と顧問契約をすると、どんなメリットやデメリットがあるのか?この章では、税理士と顧問契約をすることで得られる利益や注意すべき点について解説します。
税理士と顧問契約するメリット
税理士と顧問契約をすることで、以下のようなメリットを享受できます。
時間や労力を節約できる
税務や会計は非常に複雑で専門的な分野で、自分で行う場合は、法令や制度の変更のチェックと正確な計算や記録が必要です。
そのため、多くの時間や労力が必要ですが、税理士と顧問契約すると税務申告や帳簿作成などを税理士に任せることができるので、自分の本業や経営に集中することができます。
アドバイスや提案によって節税や経営改善ができる
税理士は税金や会計だけでなく、経営や財務にも詳しいです。税理士と契約すると、税金の節約や経費管理、資金調達や投資などのアドバイスを受けられます。アドバイスはあなたの経営や財務状況に合わせてカスタマイズされており、ビジネスの成長に役立ちます。
税務調査や納税手続きなどの対応を代行してくれる
税理士は税務調査や納税手続きの代行をしてくれます。税務調査は多くの人にとってストレスですし、納税手続きも煩雑です。しかし、税理士と契約すると、税務調査や納税手続きなどを代わりにしてもらえます。税理士は税務署との交渉や手続きに慣れているので、安心してビジネスに集中できます。
税理士と顧問契約するデメリット
税理士と顧問契約をすることにはメリットが多いですが、一方でデメリットもあります。以下では、税理士と顧問契約をすることで生じる可能性のあるデメリットについて解説します。
税理士によっては費用が高い場合もある
税理士と顧問契約すると、毎月一定額の顧問料を支払う必要があります。顧問料は税理士によって異なりますが、一般的には数万円から数十万円ほどです。さらに、特別業務料や交通費、消費税などの別途費用も発生することがあります。これらの費用はビジネスの規模や内容によって異なりますので、予算に合わせて注意が必要です。
税理士の質や対応にはバラつきがある
税理士はプロですが、完璧ではありません。中には報告や連絡が遅かったり不十分だったり、ミスや遅延が多かったり、相談に対して無関心だったりする税理士もいます。こうした場合には、不満や不安を感じるかもしれませんし、最悪の場合はトラブルや損害の可能性もあります。
税理士により、意見や要望を無視したり、押し付けたりすることもある
例えば、自分が望まないサービスや提案を強引に勧めたり、反対する決断を勝手に行ったりすることがあります。こうした場合には不快感や不信感を抱くかもしれませんし、最悪の場合はビジネス上の損失やトラブルの可能性もあります。
税理士と顧問契約する場合の費用
税理士と顧問契約をする場合には費用面も重要です。この章では、税理士と顧問契約をする場合にかかる費用について解説します。
税理士の顧問料の相場や決め方
税理士の顧問料は税理士によって異なりますが、一般的には月額数万円から数十万円程度です。この顧問料は、税理士が提供するサービスの内容や範囲、あなたのビジネスの規模や業種、税理士との交渉などによって決まります。顧問料を決める際には、以下の点に注意しましょう。
- 顧問料は税理士との契約書に明記すること
- 顧問料は税理士との相談や交渉で合意すること
- 顧問料は市場相場や他の税理士と比較すること
税理士に支払う費用の内訳や明細
税理士に支払う費用は顧問料だけではなく、別途費用が発生する場合があります。例えば、特別業務料(決算申告や相続申告など)、交通費(出張時)などです。これらの費用はビジネスの規模や内容によって変わります。支払う費用の内訳や明細を把握するためには、以下の点に注意しましょう。
- 支払う費用は税理士から領収書や請求書をもらうこと
- 支払う費用は税理士から詳細な説明をもらうこと
- 支払う費用は税理士との契約書に記載されているか確認すること
税理士と顧問契約する前に確認すべきこと
税理士と顧問契約をする前に信頼できる税理士を選ぶ必要があります。この章では、税理士と顧問契約する前に確認すべきことについて解説します。
税理士の資格や実績の調べ方
税理士は国家資格ですから、登録番号や所属団体を持っています。これらを確認することで、税理士が本物かどうか判断することができます。また、ホームページや口コミなどで調べることで、税理士がどんなサービスを提供しているか、どんな評判を得ているかがわかります。また、税理士の専門分野や得意業種も確認し、あなたのビジネスに合った知識や経験を持っているかどうかチェックしましょう。
- 登録番号や所属団体は公式サイトで確認すること
- 経歴や実績は複数の情報源で確認すること
- 専門分野や得意業種は具体的な事例や実績で確認すること
税理士との相性や信頼関係の確かめ方
税理士はビジネスパートナーなので、相性や信頼関係が大事です。この章では、税理士との相性や信頼関係を確かめる方法について解説します。
税理士との初回相談や面談でコミュニケーションを取る
税理士と顧問契約をする前には、必ず初回相談や面談を行いましょう。これは無料で行われる場合が多いです。初回相談や面談では、あなたが自分のビジネスや悩み事などを話し、税理士がそれに対してアドバイスや提案を行います。この過程でコミュニケーションを取ることで、以下の点が分かります。
- 税理士があなたの話をしっかり聞いてくれるかどうか
- 税理士があなたの話に対して適切な反応を示すかどうか
- 税理士があなたの話に対して有益なアドバイスや提案を行えるかどうか
税理士の提案や見解に対して質問や意見を述べる
税理士との初回相談や面談では、税理士があなたに対して提案や見解を言う場合があります。これはあなたのビジネスにとって有益なものである可能性が高いですが、必ずしもそうとは限りません。これにより、以下の点が分かります。
- 税理士があなたの質問や意見に対して誠実に答えるかどうか
- 税理士があなたの質問や意見に対して論理的に説明できるかどうか
- 税理士があなたの質問や意見に対して柔軟に対応できるかどうか
2-2-3. 税理士の対応や態度に注目する
税理士との初回相談や面談では、税理士の対応や態度に注目すると、相性や信頼関係を判断できます。税理士の対応や態度に注目する際には、以下の点に注意しましょう。
- 税理士があなたに対して丁寧で親切かどうか
- 税理士があなたに対して尊敬や敬意を示すかどうか
- 税理士があなたに対して誠実で信頼できるかどうか
税理士とのコミュニケーション方法や頻度の決め方
税理士との顧問契約では、情報共有や連携を円滑にするためにコミュニケーション方法や頻度も重要です。この章では、税理士とのコミュニケーション方法や頻度の決め方について解説します。
自分の希望や要望を税理士に伝える
コミュニケーション方法や頻度を決めるには、税理士からどんなサービスを受けたいか、どんな情報を必要としているかを明確にするために自分の希望や要望を伝えましょう。伝える際には、以下の点に注意しましょう。
- 自分の希望や要望は具体的かつ明確に伝えること
- 自分の希望や要望は優先順位をつけて伝えること
- 自分の希望や要望は税理士と相談しながら調整すること
報告や連絡方法を決める
税理士とのやりとりの仕方と頻度を決めるために、どんな方法で報告や連絡をもらうかを考えましょう。これは税理士から必要な情報をしっかりともらうためです。報告や連絡の方法は、電話、メール、FAX、郵送、訪問などいろいろあります。どれを選ぶかは、次のことに気をつけましょう。
- 報告や連絡を受け取る方法は自分の都合や状況に合わせて選ぶこと
- 報告や連絡を受け取る方法は税理士と事前に確認すること
- 報告や連絡を受け取ったら必ず返信すること
定期的に打ち合わせや相談を行う
税理士とのやりとりの仕方と頻度を決めるときに、定期的に会って話すことも大切です。これは税理士との信頼関係を築くためです。会って話すときには、あなたの問題や課題、目標や計画などを共有します。そして、税理士から最新の情報やアドバイスももらえます。会って話すときには、次のことに気をつけましょう。
- 打ち合わせや相談は月1回程度行うこと
- 打ち合わせや相談は事前予約すること
- 打ち合わせや相談は議事録を作成すること
税理士と顧問契約する際の注意点やトラブル回避法
税理士と顧問契約をするときには、気をつけることや困らない方法も知っておきましょう。これは税理士と顧問契約を安心して続けるためです。この章で、税理士と顧問契約するときの気をつけることや困らない方法を説明します
顧問契約する際に必要な書類や手続
税理士と顧問契約する際には、必要な書類や手続きがあります。これらはあなたと税理士との契約内容を明確化し、法的効力を持たせるためです。必要な書類や手続きは以下の通りです。
契約書などの重要書類を作成する
契約書はあなたと税理士との契約内容を明確化する書類です。契約書にはあなたと税理士の氏名や住所、契約期間や更新方法、契約解除や解約条件、責任範囲や損害賠償などが記載されます。契約書はあなたと税理士の双方で署名捺印し、それぞれが保管します。また、契約書はトラブルや紛争が発生した場合に証拠として利用できます。
書類に記載されている内容をよく確認する
委任状や契約書などの重要書類を作成する際には、書類に記載されている内容をよく確認しましょう。これはあなたが不利益を被ったり、トラブルに巻き込まれたりしないようにするためです。書類に記載されている内容をよく確認する際には、以下の点に注意しましょう。
- 書類に記載されている内容は自分の希望や要望に沿っているかどうか
- 書類に記載されている内容は税理士と事前に相談したことと一致しているかどうか
- 書類に記載されている内容は法律や規則に違反していないかどうか
書類に署名捺印し、双方で保管する
委任状や契約書などの重要書類を作成したら、最後に書類に署名捺印しましょう。署名捺印したら、それぞれが書類の原本を保管します。また、将来的に書類が紛失することに備え、書類の写しを作成しておきましょう。
税理士との顧問契約で気をつけるべき契約内容
税理士と顧問契約では、継続のために契約内容や条項にも気をつける必要があります。この章では、税理士と顧問契約する際に気をつけるべき契約内容や条項について解説します。
契約期間や更新方法を明確にする
契約期間は税理士との契約が有効な期間をいいます。事業計画や予算に合わせて継続するかどうか判断できます。契約期間終了後に契約を更新する際は、特段の手続きなく自動的に更新される自動更新型と更新の意思表示や手続きが必要な手動更新型があります。更新方法を明確にすることで、自分の意思や都合に沿って契約を更新するかどうか決められます。
契約解除や解約条件を明確にする
契約解除は契約を途中で終了させることです。契約解除は一般的には以下のような場合に行われます。
- 税理士が不適切な対応やミスをした場合
- 税理士が信頼関係やコミュニケーションが崩れた場合
- 税理士が自分のビジネスニーズや要望に応えられなくなった場合
契約解除条件というのは、契約解除を行う際の条件のことをいい、事前通知期間や違約金などがあります。契約解除条件を明確にすることで、トラブルや損害を最小限に抑えられます。
解約は一般的には以下のような場合に行われます。
- 税理士との契約が必要なくなった場合
- 税理士との契約が予算や計画に合わなくなった場合
- 税理士との契約を別の税理士に変更したい場合
責任範囲や損害賠償などのリスク回避策を明確にする
顧問契約で発生の可能性があるリスクの予防には、責任範囲や損害賠償などのリスク回避策も明確にする必要があります。
【責任範囲】
税理士があなたに対して負う責任の範囲です。例えば、税務申告や帳簿作成などの業務内容や結果に対する責任です。責任範囲を明確にすることで、あなたは税理士が自分の責任を果たしているかどうか確認できます。
【損害賠償】
税理士があなたに対して損害を与えた場合に支払う賠償金です。例えば、税務調査で追徴課税や罰金が発生した場合や、決算申告でミスや遅延が発生した場合などです。損害賠償を明確にすることで、あなたは税理士が自分の損害を補償してくれるかどうか確認できます。
顧問契約後に発生するトラブルや解決法
税理士との顧問契約後に、トラブルが発生することもあります。この章では、税理士と顧問契約後に発生するトラブルや解決法について解説します。
税務調査で税理士が不適切な対応をした場合の対処法
税務調査では税務申告書や帳簿記録などをチェックします。一般的には税務調査では、税理士が立会いをします。しかし、中には不適切な対応をする税理士もいます。例えば、課税庁側の質問や要求に対して、回答や提出物が不十分だったり、交渉で不利な条件を受け入れたりなどです。結果として、追徴課税や罰金などの不利益を被る可能性があります。その場合、不適切な対応をした税理士に対しては、以下のように対処しましょう。
- 不適切な対応の内容や原因を確認すること
- 不適切な対応の影響や損害を評価すること
- 不適切な対応の責任や損害賠償を求めること
税務申告で税理士がミスや遅延をした場合の対処法
税務申告では、税理士が書類を作成し提出を代行します。しかし、中にはミスや遅延をする税理士もいます。例えば、計算ミスや記入漏れ、申告期限の超過などです。それにより、追徴課税や罰金などの不利益を被る可能性があります。ミスや遅延をした税理士に対しては、以下のように対処しましょう。
- ミスや遅延の内容や原因を確認すること
- ミスや遅延の影響や損害を評価すること
- ミスや遅延の責任や損害賠償を求めること
契約内容の違反や信頼関係が崩れたときの対処法
税理士との契約書があっても、契約内容に違反したり、信頼関係が崩れたりする税理士もいます。例えば、契約書に記載されているサービス内容や範囲以外の業務を行ったり、契約書に記載されている顧問料以外の費用を請求したりすることもあります。
また、信頼関係が崩れる場合は、以下のような事例があります。
- 税理士があなたから受け取った情報や資料を漏洩したり、悪用したりする場合
- 税理士があなた以外の第三者(競合他社や取引先)と密接な関係にある場合
- 税理士があなたへの報告や連絡を怠ったり、無視したりする場合
これらの場合には、トラブルや損害が発生する可能性があります。契約内容に違反したり、信頼関係が崩れたりする税理士に対しては、以下のように対処しましょう。
- 契約内容に違反したり、信頼関係が崩れたりした内容や原因を確認すること
- 契約内容に違反したり、信頼関係が崩れたりした影響や損害を評価すること
- 契約内容に違反したり、信頼関係が崩れたりした責任や損害賠償を求めること
以上が、税理士と顧問契約をする際のメリットとデメリット、確認すべきこと、注意点やトラブル回避法についての解説でした。税理士と顧問契約をすることは、あなたのビジネスにとって大きなメリットがありますが、一方でデメリットやトラブルもあります。自分のビジネスニーズや要望に合った税理士を見つけて、信頼できるパートナーとして活用できるようにしましょう。
まとめ
この記事では、税理士と顧問契約をする際のメリットとデメリット、確認すべきこと、注意点やトラブル回避法について解説しました。税理士と顧問契約をすることは、大きなメリットがありますが、一方でデメリットやトラブルもあります。自分のビジネスニーズや要望に合った税理士を見つけて、信頼できるパートナーとして活用できるようにしましょう。
以下が記事の要点です。
- 税理士と顧問契約をするメリットは、税務や会計の知識やスキルが向上し、税務調査や納税の手続きがスムーズになり、税金の節税や経営の改善ができることです。
- 税理士と顧問契約をするデメリットは、顧問料や交通費などのコストがかかり、税理士に依存して自分で考えなくなったり、税理士との相性や信頼関係が悪くなったりすることです。
- 税理士と顧問契約をする際に確認すべきことは、税理士の資格や実績、サービス内容や範囲、顧問料や費用などです。
- 税理士と顧問契約をする際に気をつけるべき契約内容や条項は、契約期間や更新方法、契約解除や解約条件、責任範囲や損害賠償などです。
- 税理士と顧問契約した後に発生する可能性のあるトラブルは、税務調査で税理士が不適切な対応をした場合や、税務申告で税理士がミスや遅延をした場合や、契約内容に違反したり信頼関係が崩れたりした場合です。これらの場合には、トラブルや損害の内容や原因を確認し、責任や損害賠償を求めることができます。
以上でこの記事は終わりです。最後までお読みいただきありがとうございました。あなたのビジネスが成功することを心から祈っています。
Q&A
Q1. 税理士と顧問契約をするメリットは何ですか?
A1. 税理士と顧問契約をするメリットは、税務や会計の知識やスキルが向上し、税務調査や納税の手続きがスムーズになり、税金の節税や経営の改善ができることです。税理士はあなたのビジネスに関する専門的なアドバイスやサポートを提供してくれます。
Q2. 税理士と顧問契約をする際に確認すべきことは何ですか?
A2. 税理士と顧問契約をする際に確認すべきことは、税理士の資格や実績、サービス内容や範囲、顧問料や費用などです。税理士はあなたのビジネスに合ったサービスを提供してくれるかどうか、またその対価は妥当かどうかをチェックしましょう。
Q3. 税理士と顧問契約した後にトラブルが発生した場合にはどうすればいいですか?
A3. 税理士と顧問契約した後にトラブルが発生した場合には、トラブルや損害の内容や原因を確認し、責任や損害賠償を求めることができます。契約書に記載されている契約内容や条項を参照し、税理士と交渉しましょう。もし解決できない場合には、弁護士やなどの第三者機関に相談しましょう。